山田:近賀さんとは、共通の知り合いを通してお話を伺っていて、10年くらい前からずっとお会いしたいと思っていました。ようやく最近その願いが叶い、今日はこうして対談できる機会をもててうれしいです。
近賀:私も、山田さんとは会っていろいろお話ししたいと思っていて、やっと会えたという感じです。
山田:近賀さんも、私と同じくオーストラリアでプレーされた経験がありますが、日本との違いを感じたことはありますか?
近賀:日本ではきれいなサッカーが好まれているんだ、というのが最初に感じたことです。海外では「こんなこともできないの?」と思うようなレベルの選手が、試合でバンバンシュートを決めて勝利に貢献するんです。自分が見ていたサッカーの世界は狭いなと思いました。世界にはいろいろなサッカーがあって、チームによっても、国によっても違うことを知り、試合に勝つためには何が一番必要かを考えるようになりました。
山田:海外の選手って、試合になると目が変わるんですよね。これは、日本の選手には感じたことがありませんでした。オーストラリアでポジション争いをしていく中で、それまでとは私を見る目が変わったと感じたとき、「やっと同じ勝負の舞台に立てたんだ」と思いました。世界に勝つためには、相手をこの目にさせなきゃいけない、というのが最初に感じたことですね。
日本って、強い海外チームとの練習試合でいい勝負をすると、「手応えあったね」となるんですが、それは勘違いで、実は同じ勝負の舞台にすら立っていないんです。相手からGood jobと言われているうちは格下に思われている、Nice gameと言われたら手強かったと思われているということを海外チームとの戦いで学びました。
日本代表の選手として、初めて海外チームと試合したときのことは覚えていますか?