山田:私、斉藤さんのことが大好きです。絵に描いたような一球入魂。2006年のプレーオフで奮闘空しく負けてしまったとき、泣き崩れて両脇を抱えられながらグラウンドを去っていくシーンがとても印象的で、こんなに格好いい野球選手がいるんだと衝撃を受けました。全力投球されていた現役時代、これだけは誰にも譲らなかったことはありましたか?
斉藤:一試合一試合、選手はみんな全力を出して真剣にやっていたから、それが普通だと思うけれど、僕の中では、この一試合に懸ける強い思いなら、誰にも負けへんぞという自信がありました。試合の3日前には試合のシミュレーションを始めているし、試合当日はトイレに閉じこもって、頭の中で1試合完投してからグラウンドに出るということをずっとやっていました。